ブラック企業で辛い思いをしたくない!~実例編~

ゾンビ イラスト






一般的にブラック企業とはどんなものか?

前回は法律や募集方法などを基とした基礎知識について説明しました。

端的にいえば長時間労働、長時間拘束を生む職場環境がブラック企業に見られがちであったと思います。

しかし、ブラック企業は『パワハラ』というもう一つの大きな問題をはらませているのです。

 

毎年恒例ブラック企業大賞

投票箱 イラスト

『ブラック企業大賞』とはその年もっともブラック具合の高い企業に送られる賞で、主に作家や弁護士、大学教授などで構成される『ブラック企業大賞企画委員会』により運営されています。

web投票と企画委員の投票で大賞を決めています

2012年から始まった賞()ですが、今までの大賞受章社を見ていきましょう(※以下wikiより)。

 

東京電力株式会社(2012)

もはや知らぬものはいないであろう通称東電。

2011年に起きた東北地方太平洋沖地震によりメルトダウンが起きるなどの大事故が起きたにもかかわらず、何の解決もできない上に保身に走り、国民に電気料金の値上げを要求するなど厚顔無恥な振舞は我々庶民を呆れさせました。

また、その労働環境も酷いもので

・原発建設現場で被曝労働

・福島第一原発事故の復旧作業で被曝労働

・外注した下請け会社の原発労働者たちの健康を守る責任の放棄

・反社会的勢力による中間搾取の認容

・被曝線量の偽装工作

まさに初代王者にふさわしいブラックっぷりです。

 

ワタミフードサービス(2013)

2008年女性従業員が長時間労働と過酷な深夜勤務により投身自殺。

遺族から訴えられた事件が明るみとなり、その名を世に知らしめました。

ブラックの代名詞となったワタミですが、なんといっても創設者の渡邉美樹氏の発言は貫禄たっぷりです。

「365日24時間、死ぬまで働け」

「業界ナンバーワンになるには違法行為が許される」

「神様は不公平ではない。金持ち貧乏、頭が良い悪い、性格が良い悪い、足が長い短い、そんなことは人間の価値基準ではないのだ。そんなことを神様は何とも思っていない」

「『ブラック企業』という一人歩きの言葉でユニクロを含めた一部の企業を叩くのは、これは僕は”ペンの暴力”だと思います」

ワタミへの熱い情熱を語ってくれたのですが「ガリガリすぎる」「宗教的」と批判が殺到した、伝説の一枚です。

 

株式会社ヤマダ電機(2014)

取引先に不当な人材派遣を強いたり、リサイクル料金を受け取っておきながら、その不要家電品を業者に横流しするなどを繰り返していたというヤマダ電機。

所得税の申告漏れにより6億円を追徴課税されています。

営業販売などでも過酷なノルマを敷き、達成できなかったら罵声を浴びせるなどして数名の従業員が自殺するなど、店内の明るさの影にはこんな背景がありました。

 

株式会社セブンイレブンジャパン(2015)

フランチャイズ(FC)店の賞味期限が迫った商品の見切り販売の禁止、不透明な仕入れ価格により本社のピンハネ疑惑が持ち上がるなど、優位的地位の濫用などからブラック大賞受賞となったセブンイレブン。

アルバイトに対して罰金を科す、豪雪により経営が困難な状況でも休業を認めず結果50時間にわたって勤務させられたりなど、ブラックに大企業も中小企業もないということを改めて感じさせる内容です。

FC店が売り上げを出しているエリアがあれば、そこに直営店が乱入。

十数メートル先に同じコンビニが並ぶなど異様な光景もままあり、結果FC店が潰され、オーナーは多額の借金を背負うことに。

FC店ですら踏み台にするこの姿勢は、世間を震撼させました。

ただし、一つ言えるのは、コンビニ業界全体がこんな体質だということです。

コンビニの売れ残り弁当はどこへいく?「もったいない」の精神は?

 

株式会社電通(2016)

新入社員が過酷なパワハラを受け自殺に追い込まれたのは記憶に新しいところ。

『鬼十則』なる社訓があり、

一. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
二. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
三. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
四. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
五. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
六. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
七. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
八. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
九. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
十. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

自殺した新入社員の時間外労働は月105時間に及びました。

しかも電通は過去に二度過労死自殺を出しており、2015年是正勧告を受けたにもかかわらず再び自殺者を生み受賞となりました。

 

株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西(アリさんマークの引越社)(2017)

引越社関東の男性社員が残業代未払いのため労働組合に加入したのですが、それを理由に当社から不利益な(シュレッダー係への)異動命令が下されました。

そのため男性社員は東京地裁に提訴したのですが、その直後懲戒解雇処分となり、それを触れ回る氏名及び年齢、顔写真付きの『罪状ペーパー』を、「自己の権利を主張し、職責を果たしていない」と題して、全店内の壁に貼り付けられる羽目に。

引越社関東のオフィス前で、昼時間時に街宣車と拡声器を使った抗議を男性社員が加入している労働組合により行われていた際に「仕事の邪魔になる」と拡声器の使用中止を求める引越社関東副社長の井ノ口昇平が乱入。

組合員にいきなり激昂し、怒号を飛ばし恫喝する部分の動画が公開され物議を醸しました。

引越社側の言い分には、過去に男性社員は営業者を運転中に人身事故を起こしたのですが、そのさい謝罪に来なかったこと、普段から遅刻癖、無断欠勤など、勤務態度に改善が見られないことを挙げています。

労基から指摘された深夜残業の未払い・労働時間の超過分の支払いと男性社員の懲戒解雇処分も取り消しと改善した後の妥結案の話し合いで『生涯賃金(約2億5000万円)を払えば許す』と男性社員や労働組合側が要求してきた事実を明かしています。

 

ブラックその他の事例

『Hプロジェクト』所属の16歳のアイドル自殺

愛媛県のご当地アイドルグループ『愛の葉Girls(えのはガールズ)』のメンバー、大本萌景さん16歳。

メンバーはイベントやステージなどで農作物のアピールする農業アイドルというキャッチコピーで活動。大本さんは学業とアイドル活動及びレッスンの両立を図っていました。

しかし、そのレッスン時間は1日4.5時間で週4回、終わるのが深夜12時近くに上り、また別にイベントなどもあります。

彼女が通っていたのは通信制の高校ですが、平日はイベントに出され、その多忙さから火曜と日曜週2回の投稿にすら支障をきたしていました。

アイドルを辞める決意を固める大本さんが社長に「全日制高校への資金援助してやる」と丸め込まれる結果に。

しかし再び社長に辞めたいと伝えれば、事務所スタッフからLINEで

「次また寝ぼけた事言いだしたらマジでブン殴る」

学校へ行くため休みが欲しいと要求すると

「お前の感想はいらん」

「学校の判断と親御さんの判断の結果をそれぞれ教えろ」

など高圧的なやり取りが。

月3万5000円の報酬のため、時にアイドルと関係ない農作物の販売活動を深夜までさせられ、朝4時集合で解散26時の日もあったという大本さん。

今年3月、自ら命を絶ちました。

 

『しゃぶしゃぶ温野菜』アルバイト120日間休みなし、制裁金も

2016年ブラック企業大賞で『ブラックバイト賞』を受賞した飲食チェーン店『しゃぶしゃぶ温野菜』。

アルバイトの大学生が、120日間休みなしで1日12時間勤務で働かされ、その年の単位を全て落とす羽目に。

この異常な状態の背景には当該店舗の女性店長による強烈なパワハラがあり、男子大学生が「辞めたい」という申し出れば

「懲戒解雇にする。そうなると就職できない」

「店がつぶれたら4000万円の損害賠償を請求する」

と脅迫し暴力も加えていました。

加えて飲み放題の客が制限時間を超えても帰らなければ新たに注文を取るように言われ、それができなければ賠償金を要求。結果アルバイト男性は計23万円を支払わされたといいます。

この件により女性店長と関わった従業員は、暴行罪などでで起訴され罰金刑が確定(両者ともに退職済み)。

当該飲食チェーン店の運営会社は「正確な打刻出ない可能性もあるが、未払い賃金などについては誠意を持って対応する」としていましたが、和解が成立。

額ははっきりしていませんが、未払い賃金を上回る和解金が運営会社から支払われました。

 

『PCデポ』高額サポート、解除手数料として20万円請求

PCデポ(株式会社ピーシーデポコーポレーション)とは神奈川県を基盤に首都圏などでパソコン販売をする企業です。

2016年高齢者の父が月額15000円以上もする高額サポートを結んでしまったので、その親族がこの解約を求めると、解除手数料として20万円もの大金を請求する事案が発生。

組織ぐるみであったか否かについて、PCデポの野島隆久社長が「そのような営業指示を出したことはない」と釈明、ノルマなどの強制もなく、あくまで店舗側の暴走であるとの見解を示しました。

しかし内部告発によりPCデポの過酷ノルマが発覚。

やって当然、できて当然という意味で、『トウゼンカード』なるものの情報が流出し炎上騒動に。

また、『サイバーシェリフセンター』と呼ばれる本部司令部から各店舗を見張るシステムも明るみとなり、そのブラックっぷりを見せつけました。

詳しくはこちらをどうぞ

PCデポ、懲りていなかった…高額解除手数料、ふたたび

『大東建設』数字が全て、過酷なノルマ

多数のCMで有名な会社ですが、完全実力主義の会社であり過酷なノルマがあることでも有名です。

飛び込み営業で地主にアパートの建設を持ちかけてアパートを設立してもらい、大東建設がそのアパートを借り入居者を募る、『サブリース(又貸し)』と呼ばれる手法で業績を伸ばしています。

取ってこれた契約によって給料は青天井ですが、人によっては平均給与以下しかもらえません。

有給はおろか週6出勤は当たり前、定時帰宅などあり得ないほど残業にまみれているという話。

契約を取れないと上司より叱咤激励、朝礼では名指しで非難されるといいます。

良くも悪くも信賞必罰な会社といえます。

 

『ゴンチャロフ』「お前が牛のエサをいっぱい作るから大変や」

兵庫県の洋菓子メーカー『ゴンチャロフ製菓』。

当時20歳の男性が2016年6月に過労自殺しました。

男性はチョコレートやゼリーを作るラインに従事していたのですが、グループリーダーに挨拶を無視されたり、

「お前はぼんぼんやからなー。分からんやろな」

「言ってもわからんわなあ、ぼんぼんには」

などと激しく罵倒されるなどの強烈なパワハラを受けていました。

また同工場では廃棄品を六甲山牧場の牛の餌にしていたこともあって、男性がチョコの製造に失敗した際には

「お前が牛の餌をいっぱい作るから大変やわ」

「また牛の餌、増やしやがって」

など責め立て、男性が辞職の意思を示せば「次からは男性の出身高校から採用しない」と脅されていました。

男性が鬱病を発症する3カ月前には月60時間以上のサービス残業が確認されたといいます。

 

※おまけ 実はちょっとここで働いていました。

実はわたくし、10月から2月までの繁忙期の4ヵ月間、この工場で派遣社員として働いていた経験がございます。

僕がいたのは搬入口で、フォークリフトなどを使って包装された商品を各店舗へ振り分ける仕事。

製造などとは無関係の場所だったのですが、繁忙期はとにかく忙しい。

特にクリスマスとバレンタインではすさまじい出荷量となるため、月~土の朝9時から夜9時位まで動きっぱなし。

派遣社員でこれですので、当然正社員はもっと働いていました。

また商品によっては丸1日間、冷蔵(冷凍)庫内で作業せねばなりません。

自殺された男性社員が鬱病となったのは12月頃といいますので、ちょうどこの時期と重なります。

現場マンの口が悪いのは良くある話。

たしかに現場監督の人がおっとりとした事務方の女性を、何かにつけて怒鳴りつけるように応対していたのは記憶しています。

それを除けば比較的穏やかな方で、未熟であったフォークリフトの乗り方についても親切に教えてくれました。

正社員同士横のつながりがどうであったかについてですが、仲間意識が強く、摩擦をさけるような間柄にも見え、おそらく製造ラインでも同様な空気があったのではないかと思います。

だからこそだれも止めることもせず、自殺者がでた後でも遺族を無視した厚顔無恥な振舞ができるのではないのでしょうか?

ゴンチャロフはパワハラも長時間労働も認めていません

亡くなられた男性社員とは面識もなく、当該上司が何者なのかもわかりませんが、亡くなられた男性社員にはご冥福をお祈りいたします。

 

残業時間60時間を超えると幸福度が増すというが…

世を震撼させたブラック企業に共通するのが、やはり長時間労働とパワハラ。

残業時間が60時間を超えると従業員の幸福度が増すと言いますが、それはあくまでハイになっているだけで実際には現実逃避の一種といってもいいかもしれません。

それすらできない者は追い詰められ、自らの存在を否定してしまう。

個々の企業の在り方も大きな問題点ですが、それを生む環境にも注意せねばなりません。

過労死ラインが残業月80時間であるにもかかわらず、残業月100時間まで良しとし、あろうことか裁量労働制(残業代ゼロ法案)を推し進めようとする経団連。

この環境が変わらない限り、いつまでたってもブラック企業はなくならないでしょう。

本当に働き方が変わる?安倍内閣の目玉法案『働き方法案』の是非

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※おまけ 従業員を宙づりにしてパイプでどつく動画(真偽不明)







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