本当に働き方が変わる?安倍内閣の目玉法案『働き方法案』の是非

ランボー イラスト






安倍内閣が進める『働き方改革法案』

目玉政策として、安倍総理自身もすごい意気込んでいます。

しかしその法案の中の『裁量労働制』について、あてがっていたデータが、実は厚労省によってねつ造されていることが判明。

裁量労働制であれば、一日の労働時間が短くなるようにみせていたのですが、実のところ、裁量労働制を用いると、一般的な労働契約にくらべて、平均労働時間が伸びることが判明しました。

-働き方改革関連法案-

安倍内閣が推し進める目玉法案で、2015年4月3日から様々な労働基準法等改正案が上程されました。

時間外労働賃金の見直し、年次有給休暇の確実な取得、そして今話題となっている裁量労働制の拡大と高度プロフェッショナル制度の設立。

我々(?)一般労働者にメリットがある一方で、デメリットも多い改革案です。

 

時間外労働割増賃金見直し

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時間外労働に対する割増賃金の見直しで、月の時間外労働が合計で60時間を超えた分について、50%の割増賃金を加えるというもの。

現行法では時間外労働は25%、深夜(22:00~5:00)で25%、休日労働で35%の割増賃金がつきますが、今後それが60時間を超えた場合(休日労働は除く)、50%になります。

割増分を代替え休暇へ変更することが可能に

労使協定が必要ですが、健康への配慮から、60時間を超過した分の割増賃金を休日に充てることも可能となります。

うっぴー
なお、中小企業へは当分の間適用が猶予されます

一定日数の年次有給休暇の確実な取得

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年次有給休暇が年10日以上付与されている労働者に対して、年間5日の有給取得を会社に義務付ける制度です。

現在日本企業の有給休暇の取得率は48.7で、先進国最下位です。この改正案は平成32年までに有給取得を70%にすることを目標としています。

実務において注意して頂きたいポイントは次の2つです。

 

正社員に限らない

パートやアルバイトであっても、年10日以上有給休暇が付与されていれば取得義務化の対象となります。

 

年間5日を既に取得していれば義務は発生しない

既に労働者全体で取得日数が年間5日を超えている場合は、取得義務は発生しません。

しかし、取得率が低い会社は取得義務への対応が必要となります。

例えば、労働者が自ら2日の有給休暇しか取得していない場合は、年間5日に満たない3日を会社は取得させる義務を負うことになります。

 

いいことだらけ?の働き方改革法案ですが…

これらだけ見れば、確かに労働者にとってはプラスの要素が多いですが、その分、企業の負担が増えることに間違いありません。

現に法案が施工される場合、中小企業らへの実施は当分見送ります。

しかし、よく考えてみれば、果たしてこのような企業の首を絞める法案を、経団連をはじめとする経営者団体が受け入れるものでしょうか?

うっぴー
落としどころならぬ落とし穴がありそう…

裁量労働制の見直しと高度プロフェッショナル制度の設立

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『裁量労働制』とは、実際の労働時間に関係なく、労働者と使用者の間の協定で定めた時間だけ働いたとみなし、労働者に賃金を支払う仕組み。

つまり業務さえこなせば6時間働いても8時間分の給料がもらえることになり、逆に10時間働いても8時間分の給料しかもらえません。

代表的なものでいえば、新聞配達や歩合制のセールスマンなどが挙げられます。

出退勤時間に制限がなく、個人の好きな要領で仕事ができるようになるのが最大のメリットといえますが、これが「定額働かせ放題」の拡大になると野党から批判されています。

うっぴー
こんなこったろうと思ってた(呆)

裁量労働制の拡大

裁量労働制の拡大は経団連の強い要望により行われるもので、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなされます。

裁量労働制については労働基準法 第38条の4において、適用業務の範囲、その条件が定められています。

・職務内容が明確であること

・労使委員会の5分の4以上の多数決議

・行政官庁への届け出

・本人の同意

うっぴー
面接で「なら結構です」といえる勇気が必要

・経営者が、労働者の在社時間と社外で労働した時間を把握できていること。

・休日や休憩時間に関する一定の措置を講じること

うっぴー

具体的には

4週間に最低4日、年間104日の休日確保

退勤から出社までの一定の休息を設ける「勤務間インターバル」

2週間連続の休暇

健康診断

これらの条件を満たす必要があります。

 

『専門業務型』と『企画業務型』

大きく2つの分野に分けられます。

「専門業務型」と「企画業務型」があります。

企画業務型

いわゆる『みなし残業』制のことで、会社の中枢で業務の企画や立案などを行うもので、営業成績や営業活動上の問題点等について調査及び分析を行う、企業全体の営業方針や取り扱う商品ごとの全社的な営業に関する計画を策定する業務を指します。

専門業務型

いわゆる専門職のことをいい、研究及び開発、衣服や工業製品のデザイナー、映画等のプロデューサーまたはディレクター、証券アナリスト、一級建築士など、一般人には通常できない業務をいいます。

高度プロフェッショナル制度の設立

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高度プロフェッショナル制度とは、この専門業務につく一部のうち、定められた年収以上の労働者は、一定の条件を満たす場合、残業代の支払義務がなくなる制度です。

高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる業務に限られるとしています。

うっぴー
従事した時間と成果の関連性が高くないって、人材を馬鹿にしすぎでしょ?

年収要件

厚労省の統計を基にしたデータで、労働者の平均給与の3倍程度を上回る水準とされており、具体的な金額で『1075万円』以上とすることが想定されています。

具体的な金額については法律ではなく、厚労省が省令で定めることになっています。

うっぴー
曖昧やなぁ…

裁量労働制との違い

裁量労働制では深夜割増、休日割増を受け取れますが、高度プロフェッショナル制度ではこれらが一切入りません。

いうなれば専門職も管理職扱いとなり、たとえ深夜に働こうが、休日に働こうが一切収入になりません。

たとえば年末年始であろうと、ゴールデンウイークであろうと、深夜でなければできない補修工事であろうと、どれだけ残業がかさもうと、専門職は何の割増も受けないことになります。

 

経団連の狙い

内部留保 イラスト

早い話が残業代を絞ることにより、より機敏に働くであろうということ、不要な残業代を押さえる効果があることです。

経団連はこの度の働き方改革法案において、これらとセットで裁量労働制の拡大と高度プロフェッショナル制度の導入を強く勧めていました。

しかし、野党や一部メディアから『残業代ゼロ法案』『ホワイトカラーエグゼンプション』と揶揄されています。

うっぴー
2007年の安倍内閣の時散々叩かれて参院選大敗しましたね(しみじみ)

これは持論ですが、どれだけ残業代を厚遇しようと、残業枠そのものを削除してしまえば、関係ないという目論見でしょう。

現行法案では裁量労働制の拡大に年収の下限を設けてはいません。

もし仮に裁量労働制などが非正規雇用などにも適用されると、それこそ奴隷市場そのものです。

厚労省のデータ改ざん

プッツン ぶちギレ 怒り イラスト

この裁量労働制の拡大に関する調査データについて、驚くべき事態に。

厚労省が独自に調査したというデータによれば、裁量労働制の労働形態の方が労働時間が短くなるというものですが、それには不備があり、意図的に改ざんした疑惑が浮上。

野党らからねつ造との指摘をうけ、資料の提出を求められた厚労省ですが、加藤勝信厚労相「紛失した」と釈明。

しかし、この度データの基となった調査票が、厚労省本庁舎の地下倉庫から発見されました。

 

1000件を超える異常値の数々

全国の1万1575事業場を労働基準監督官が訪問し、その事業場の「平均的な人」に対して、1日、1週間、1カ月、1年の残業時間を聞き取るなどして調べました。

しかし、ある事業所で調査した人の1週間の残業が『25時間30分』だったが、1カ月の残業は『10時間』に。

1日の残業が『12時間45分』だったが、1週間では『4時間30分』の人もいました。

うっぴー
1日12時間が一週間で4時間30分に短縮されるブラックホール企業

こんな感じのおかしなデータは多数散見され

1日の残業時間が45時間だったもの

1日の労働時間が1時間のもの

738件中52件が1日の労働時間が4時間以下

などが。この異常値はのべ1000件に上るとも言われています。

これらのデータは極端に労働時間が短かったものであり、1日4時間以下という極端な事例を除いた平均値は9時間48分で、2時間近くの残業代がゼロでした。

うっぴー
年金データ問題を彷彿とさせますね

裁量労働制のほうが平均労働時間が長い?

厚労省曰く、「裁量労働制の方が、一般労働者より労働時間は短い」というデータはありません。

そのため厚労省は、一般労働者の方が長く働いているという風に見せかけるためデータをねつ造していました。

裁量労働制で働く人には「1日の労働時間」を聞いていた一方、一般の労働者には「1カ月で“最長”の1日の残業時間」を聞き、そこに法定労働時間の8時間を足して算出。

こうすることにより、裁量労働制の方が短い印象を与える狙いがあります。

また、厚労省の要請による労働政策研究・研修機構(JILPT)がデータを収集。

そのときのデータは2014年5月のもので、2013年厚労省の示したデータとは半年ほどしか違いませんが、厚労省はこの二つのデータの中から裁量労働制の方が有利と見せれるデータだけを抽出していました。

なお、JILPTの調査によれば、一般労働者の平均労働時間は月約186時間に対し、裁量労働制では月約194時間であることが判明しました。

うっぴー
早く終わったらその分押し付けるってことでしょう…?

世論の厳しい批判

ネット上の意見 イラスト

経団連の榊原会長は今回のデータのねつ造について厚労省を批判する一方、裁量労働制について「改正案を今国会中に成立させてほしいというのが我々の立場」と発言。

裁量労働制の適用範囲拡大を推進していく姿勢を明らかにしました。

裁量労働制の適用範囲拡大に反対する声が相次いでおり、2月25日には東京で裁量労働制に反対するデモが行われ、主催者発表で1000人が集結。

また、ネット上では経団連への批判が殺到。

「データなんて関係ない、結局結論ありきかよ」

「経団連が期待ってことは労働者が泣くってことか」

「こいつらが賛成してるってことは間違いなく労働者側にメリットない」

など批判は収まりません。

うっぴー
榊原会長は見るたびに疲労が増える…

安倍内閣、法案提出を断念

また、今回のねつ造により政府は、今国会内での法案提出を断念。

野党は廃案とすべきと主張していますが、政府は裁量労働制拡大などについて、当初予定していた2019年4月実施から1年先送りし、2020年4月から実施にする検討する考えを示しました。

うっぴー
先送り体質は変わりません

またも四面楚歌?安倍総理

ことあるごとに経済界に甘い汁を舐めさせてきた安倍政権。

今回のデータを引っ込めるとともに、再調査する姿勢は一定の評価はできると思います。

しかし、経済界からは失望の声が挙がり、、与党内からも「労働改革法案は強い批判を受けており、厚労省が絡んでいることからも、いつぞやの年金データ未納問題で退陣した時を彷彿とさせます。

とりあえず、残業賃金割増と、有給休暇取得の法案だけでも通してほしいものです。

うっぴー
これからどうなるんだろ?






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