マンガ業界はブラック?ドラゴン桜元アシ、残業代ゼロを訴える

徹夜 残業 イラスト






漫画家…子供なら誰もが憧れる夢の職業でした。

かくいう、僕もその一人です。

昔はSNSなどもなく、雲の上の存在だったのですが、ネットの普及により、ものすごく身近な存在となりました。

とある人気漫画家の元アシスタントが「今まで11年間7カ月の間、一度も残業代を払わなかった」とブログで発表。

これが様々な漫画家へ飛び火することになります。

ドラゴン桜2の労働環境改革

今回騒ぎの発端となったのは、かの有名な『ドラゴン桜』の作者、三田 紀房(みた のりふさ)先生へのインタビューでのこと。

ドラゴン桜は03年から07年まで講談社の漫画雑誌『モーニング』で掲載され、さまざまな受験テクニックや勉強法が紹介され、05年にはドラマ化、10年には韓国でもドラマ化されました。

そんな先生ですが、12月初旬メディアに出演。

1月25日からモーニングにて連載される『ドラゴン桜2』への意気込みと、その職場環境についてインタビューに答えました。

 

アシスタントは週休3日

アシスタントの労働時間は9:30~18:30まで。

休憩は自由にとることができます。

 

残業禁止

残業は禁止。

うっぴー
この発言がのちのち火種となってきます

 

ダラダラ休憩するな

漫画家になりたてのころ、先輩から職場では『お菓子を絶やすな』と言われていたのですが、そうするとスタッフがそれを口にしながらダラダラと仕事をしだす。

なので職場にはお菓子を置かなくなりました。

 

長期休暇

長期休暇を含め、年間休日は160日。甲子園のシーズン中も休み(笑)です。

 

作画は外注

先生自身は「もう絵は描かない」と発表し、人物、背景に至る全ての作画は外注したスタッフにお願いするとのことで、半年以上もの間、スタッフに自分の絵のタッチを徹底的に教え込んだと言います。

一種の社会貢献

外注することにより、余計にコストはかさみます。

しかし、先生は「これは一種の社会貢献だと思っているんですよね。一つの完成したシステムを作って、それを若い人たちに見せていきたいんです。」「漫画界に才能が集まって、漫画というジャンルが豊かになっていけばいいと思っているんです」とコメントしています。

引用元 YAHOOニュース

 

元アシスタント ブログで抗議

この三田先生の発言に怒りの声を上げたのは漫画家の『カクイシシュンスケ』先生。

大学卒業後、三田先生のもとで11年と7ヶ月働いていました。

現在白泉社の漫画雑誌『ヤングアニマル嵐』にて『柔のミケランジェロ』を連載しています。

ヤングアニマル嵐 白泉社

カクイ先生はブログにて三田先生との漫画家生活を振り返り、「だいたい平和な11年7ヵ月」であったといい、業界の水準に比べても三田先生の職場が時間にきっちりしていたことが大きいといっています。

また、過度な徹夜や残業もなかったこともいい、三田先生の経営手腕を褒めたたえています。

しかし…

 

残業はあった!

三田先生が残業を禁止していることに対してカクイシ先生は

「自分が退職したのちに、さらなる業務改善により残業がゼロになったのであって、いままでずっとそうだったかのように伝えるのはおかしい。」と指摘。

毎週木曜は遅れた分を取り戻すために残業。23時過ぎは当たり前で、ひどい時には深夜1時まで残るときもあったそうです。

そして今までの11年と7カ月の間、一度も残業代がでませんでした。

 

自由な休み?

休憩があったといっても15時00分から15時15くらいまでの10~15分間ほど。

その間に簡単な昼食を各自でとって、また描き始める。基本的にそれをずっと毎日繰り返します。

うっぴー
前述のダラダラ仕事、ということはなかったと主張しています(確かにちょっとムッとするかも…)

月給13万円スタート

働き始めの給料は月13万円で、最終的には月収23万円。賞与を含めても300万円を超える程度です。

『漫画家の公務員化』という三田先生の思想も、あくまで業界の水準より時間に正確なだけではないか?と指摘しています。

 

カクイシ先生の労働環境

・月~木の週4勤務

・ダラダラ仕事していない、むしろろくに休憩もとれなかった

・木曜に残業は集中、しかし残業代はゼロ

・初任給13万で、10年働いても年収は300万程度

マンガ業界の長時間労働の是正を促すため、こうしてネットで発信することが、自分にできることの一つの行動である、としています。

もっと詳しく知りたい方はカクイ先生のブログへ

 

今回のブログの波紋

今回の件に対し、当の三田先生はツイッターなどでも、なんらアクションを見せていません。

しかし、このブログの反響は大きく、様々な有名漫画家が触発されました。

 

佐藤秀峰「もやもやしました」

あの超有名作『ブラックジャックによろしく』の作者です。


うっぴー
アマゾンとの確執について、以前このブログでも取り上げました

カクイシ先生のブログを見て、自身のアシスタント時代を振り返り、『カイジ』『金と銀』で有名な福本伸行先生の作画スタッフとして過ごした日々について語りました。

その時の労働状況です。

・週90時間〜140時間勤務

・初任給11万円

・昇給不定期(3ヶ月~20ヶ月目12万円、21ヶ月〜24ヶ月15万円、25ヶ月目から25万円)

・食事付き(休憩は食事時間のみ)

・交通費不支給、各種保険未加入

・残業代無し

・休日、月4~5日程度

佐藤先生はこの過酷な経験から、アシスタントの労働環境の改善を考えた、と書いています。

以下全文 佐藤秀峰 ブログ

うっぴー
カイジ、アカギなんかを見てても、その背景や細部はきっちり描き込んでいます。

見たところデジタルペイントじゃなさそうですし、原稿へのペン入れでこのレベルとなると本当に大変だったでしょう。

しかも先生は何本ものマンガを同時に掲載していますので、アシスタントが死にそうになるのは理解できます…

僕もそこそこ漫画については心得がありまする

うすた京介「嫌なら転職しなさい」

週刊少年ジャンプで連載された有名ギャグマンガ『ピューと吹く!ジャガー』『すごいよ!マサルさん』の作者、うすた先生が、今回の件ついて「そもそも漫画家なんてまともな仕事じゃないんだから嫌なら就職しなさい」とツイッターで発言。

これが各種サイトで取り沙汰され、カクイシ先生は反発。ツイッターは炎上状態になりました。

うっぴー
うすた先生は当該ツイートを削除しています

逆にもてはやされた漫画家も

冨樫義博

今回の件を引き合いに、『幽遊白書』や『ハンターハンター』などの作者の冨樫義博先生は、アシスタントに年に4ヵ月分のボーナスをだしていることが持ち上げられ、大絶賛されています。

秋元治

ご存知『こち亀』の作者ですが、『アトリエびーだま』では基本残業なし、タイムカードを切らせる、といったホワイトぶりが絶賛されています。

業界一?さいとう・プロダクション

『ゴルゴ13』のさいとうたかを先生も、アシスタントへの仕事配分は『分業』制を用いることで有名です。

また、『アシスタント』といわず、一緒に仕事をする『スタッフ』として扱います。

相応に遇するのは当然である、との見方を示しています。

この組織化された漫画作成は『業界一』との呼び声も高く、まさにパーフェクト仕事人と言えるでしょう。

 

安請け合いの発端は手塚治虫?

漫画家、そしてそのアシスタント、双方に言い分があるようですが、面倒なのはその雇用形態でしょう。

アニメーターなどの賃金は請負という形で、『原稿一枚○○円』のような完全出来高であると聞きます。

そのため年収100万円ほどと、スズメの涙銭しかもらえません。

『ノルマによる出来高制』とする雇用者と、費やした時間による対価を求める労働者とでは、主張が違うのは当然かもしれません。

しかし、『好きでやってることだから』『修行中』といって上前をはねる。それは何の根拠にもならない戯言です。

なぜこれほどクリエイターが憂き目にあうのでしょうか?

その根源は手塚治虫先生にあるとする説があります。

 

頑張りすぎた!?

漫画家でありながらアニメ制作に燃える先生は、アニメ制作を安請け合いしてしまったのですが、先生の情熱に駆られた有志が集結。

手塚治虫の御旗のもと、住み込みで長時間働き、死ぬ気でアニメを完成させました。

結果、完成した『鉄腕アトム』は大ヒットし、莫大な富を得るのですが、その時埋め込まれた先入観として、

『アニメは安くで儲かる』だったとか…

うっぴー
「出来ないとは言わせない」ということでしょう。どこかのワ〇ミを彷彿とさせますね…

このアニメーターに対する見解が、漫画家、アシスタント、声優業界、そのほか様々なクリエイター達に影響しているのかもしれません。

 

感想

プロの漫画家になるのは相当大変です。

カクイシ先生も佐藤先生も、そういった下積みがあればこそプロになれたのでしょう。

うっぴー
アシスタントにすらなれない、そんなプロ志望はごまんといますからね

確かに色々と意見があるのでしょうが、カクイシ先生は三田先生の元で11年間働いています。

おそらく当事者間でしかわかり得ないこともあるでしょう。ましてや金銭が絡むならなおさらです。

第三者にはわからない、妙なしこりのようなものがあるのかもしれません。







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