NHKの受信料契約、最高裁が「合憲」の初判断を下す。

裁判 






NHKが受信契約に応じない男性に対して起こした裁判で、6日最高裁は契約義務の規定は合憲とする、初の判断を下しました。

今回の裁判はNHKが契約締結や未払い分の支払いを求めて11年に提訴したもので、1、2審共に契約は義務と認めた上で受信料制度は、「公共の福祉に適合し必要性が認められる」と合憲判断がされていました。

今回の最高裁の判決が未払い世帯に影響することは必至と言えるでしょう。

 

今回の裁判の4つの争点

にらみ合い イラスト

①放送法64条の規定が憲法に違反するかどうか?

放送法64条は、「協会(NHK)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と規定しています。

最高裁判所大法廷は、「受信料の仕組みは、憲法の保障する表現の自由のもとで国民の知る権利を充たすために採用された制度で、その目的にかなう合理的なものと解釈され、立法の裁量の範囲内にある」と指摘。

そのうえで「受信契約を結ぶことで支払い義務を生じさせるのは、NHKがテレビなどを設置する人の理解をえてその負担によって支えられる事業体であることに沿ったもので、妥当な方法だ」として憲法に違反しないと判断しました。

②受信契約はどの時点で成立するか?

これについて最高裁は、「契約を申し込んだ時に契約が成立する」というNHKの中心的な主張は認めず、「NHKが裁判を起こして訴えを認めた判決が確定した時」だと判断しました。

③いつから支払いの義務が生じるか?

NHKが「受信機を設置した時」だと主張したのに対して、男性側は「契約が成立した時」だと反論していました。

最高裁は、「同じ時期に受信機を設置したのにすぐに契約を結んだ人と結ばなかった人との間で支払うべき受信料に差が生まれるのは公平とはいえない。

受信機を設置した時に支払い義務が生じるとした規定は、公平を図るうえで必要かつ合理的だ」としてNHKの主張を認めました。

④いつから時効によって支払い義務が消滅するか

受信料の時効は5年ですが、いつから数えて5年なのかが争われていました。

最高裁は判決が確定して契約が成立した時が起点になるという判断を示しました。

契約の成立から5年が経過すると、5年以上前の分の支払い義務は消滅しますが、今回のケースでは6日の判決で契約が成立したため、過去の分は時効にならず、テレビを設置した時までさかのぼって受信料の支払いが命じられました。

引用元 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171206/k10011248431000.html

 

両者のコメント

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男性「納得いかない」

敗訴となった男性側は納得いかないと発言。違憲を主張していた弁護団は「大山鳴動して鼠一匹」「納得いかない」と不満をあらわにしました。

判決が変わる際に必ず開かれる弁論ですが、10月25日に最高裁で開かれておきながらの現状維持の判決に対して、尾崎弁護士は「死刑については口頭弁論が開かれる。我々は死刑囚扱いされた。

最後に言い分だけは言わせてやろうという裁判だった」と憤慨。高池勝彦弁護士は「(受信料の違憲性を問う主張は今後)一切許さないという、最高裁の意思表示だろう」と述べました。

 

NHK側「引き続き受信料確保を進めていく」

NHK側は「判決は公共放送の意義を認め、受信契約の締結を義務づける受信料制度が合憲であるとの判断を最高裁が示したもので、NHKの主張が認められたと受け止めています。引き続き受信料制度の意義を丁寧に説明し、公平負担の徹底に努めていきます」とコメント。

野田総務大臣は「判決においては、放送法64条1項の規定は憲法上許容される立法裁量の範囲内であり、合憲であると判断されたものと考えている。NHKにおいては、受信料が広く国民・視聴者に負担していただいているということを踏まえ、引き続き丁寧に受信料の公平負担の確保に向けた取り組みを推進することを期待している」というコメントを発表しました。

 

最高裁内の裏事情

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大法廷は受信料制度について、裁判官15人中14人の多数意見によって採択されました。

1人異を唱えたのは弁護士出身の裁判官、木内道祥裁判官で、放送法64条1項やNHKの放送受信規約を分析し、裁判所の判決によって、消費者側に受信契約を結ぶよう強制することはできないと指摘。

また、判決確定後から進行するとされた「消滅時効」などについても、ほかの時効と比較した上で、「消滅することのない債務を負担するべき理由はない」と述べました。

このほか、鬼丸かおる裁判官は判決には賛成しつつも、受信契約の内容はNHKの規約ではなく、「本来は、受信契約の内容を含めて法定されるのが望ましい」との補足意見をつけました。

引用元 http://news.livedoor.com/article/detail/13992885/

 

法律では契約内容まで定めていない

放送法64条では受信契約を義務とする規定を設けていますが、内容にまで触れていません。実は放送料の支払いは義務ではないのです。

裏を返せば、放送料金はNHK側が決めれるということと解釈できますが、破った場合の罰則も設けられておりません。

つまり契約そのものは義務であっても、放送料金の支払い等は法律で定められたものではなく、あくまでNHKの判断に過ぎないということです。

2015年、籾井会長が衆議院総務委員会で「(受信料の支払いを)義務化できればすばらしい」と発言したことからも、今現在、法律上は料金の支払い義務は存在しないということになります。

うっぴー
しかし実質強制であり、これを逃れることは出来ないと、今回の判決で示したようなものです

 

最高裁長官が来月退職

今回の判決を下したのは寺田逸郎最高裁長官(69)。最高裁の裁判官は70歳で定年で、来年1月9日に70歳の誕生日を迎えます。国民審査を受けることなく来月退官となります。

実はこの国民審査、10年毎と定められています(憲法79条2項)。任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に最高裁判所裁判官国民審査を受け、その後10年毎に国民審査を受けるのですが、1964年以降は最高裁判所の裁判官はすべて60歳以上で任命されています。

最高裁判所の裁判官の定年は70歳であることから、国民審査の再審査が行われることはありません。

 

最高裁長官は内閣が指名する

また、この最高裁判所長官というポストは内閣の指名に基づいて天皇が任命します(憲法6条2項、裁判所法39条1項)。

2017年4月金田勝年前法相が最高裁に対し、受信料の徴収は合憲とする意見書を提出しました。国の利害に関係ある訴訟について、法相が裁判所の許可を得て意見を述べられると定めた法務大臣権限法に基づく措置で、国が当事者ではない訴訟で意見を述べたのは戦後2例目とのことです。

 

今後はどうなる?

今、スマホの「ワンセグ機能」がNHKの主張する受信機に当たるかどうかについて、裁判所の意見が分かれています。

水戸地方裁判所はワンセグでNHKが視聴可能であれば受信料の支払い義務があるとし、

さいたま地裁では「マルチメディア放送の定義を定めた放送法2条14号で「設置」と「携帯」が分けられていることから、ワンセグも「設置」とするのは、相当の無理がある」と支払い義務はないとする判決が出されました。

この度の最高裁の判決が今後NHKとの受信契約の義務において、スマホ、PCのようなオンライン機器に波及することはほぼ間違いなく、スマホを受信機とするかどうかは非常に重大な懸念と言えるでしょう。

しかし今回の最高裁の在り方を見れば、おそらくではありますがスマホは受信機であるという判決が下る可能性が高いのではないかと、私は思います。

うっぴー
今回の裁判はNHKとの裁判というより、国との裁判と言って差し支えありません

今回の判決は残念な結果ではありましたが、国民が一度は考えるであろうNHKの受信料契約の合憲性。それに一つの答えが出たということは一つの収穫であったかと思います。







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