最近就活に関する記事を書いては上げていたんですが、その中で理系と文系の違いについて触れました。
求人の多さでは文系の方が多く、就職には文系の方が有利とされている、ということです。
文系の職種は多岐にわたり、主に現場作業員として活躍する場が多く、年月とともにランクがアップする。いうなれば潰しがききやすいです。
理系は、学んだことがそのまま評価されやすく、手に職ができます。また条件面で優遇されやすいです。
文系と理系、このご時世で一体どちらが優れているのでしょうか?
目次
文系と理系の違い
まずは文系と理系の主な学部です。
文系
人文学、心理学、法学、歴史学
理系
数学、工学、化学、医学類
大まかにですがこんな感じです。
文系のメリット

文系の長所としては、まず、費用が安いことが挙げられます。
学ぶ分野がペーパー上で済むものが多く、あまり手間もかかりません。そのため、余暇時間ができ、ある程度自分に合ったペースで勉強することが可能となります。
また、先に述べた就職面での有利さも大きなアドバンテージであり、余暇時間でスポーツ等に勤しんでいれば、さらに高評価のポイントとなるでしょう。
アルバイト、インターシップを積極的に行っておくのも悪くありません。
文系のデメリット
デメリットとして、学んだことが将来に結びつかないことが多いということが挙げられます。
特に人文学(人間学)の将来性については学問として非常に希薄なもので、「何を学ぶか?」というよりも、文学を通して「人間性を豊かにする」「感受性を高める」といった範囲のものと言えます。
遊んでいるわけではないのはわかるのですが、これらが給与面に直結するのは難しく、なかなか評価されにくいのが実情です。
理系のメリット

理系の長所は、その学んでいる分野がそのまま就職に役立つ、手に職ができることにあります。
専攻していた分野のネームバリューも大きく、大学卒業からの人生設計に余裕を持てるようになるでしょう。
理系のデメリット
学費が高額になるのが非常に大きなデメリットです。さらに理系は様々な機器を使う上、学習時間が多くなります。教授の質も要求されることとなりますし、レポート、研究ばかりの缶詰状態となります。
医学類ではさらに高額になる上、6年間大学に通わなければなりません。
私立医療系だと6年間で4000万円以上の学費がかかることもあります。
給与面の違い
次に給与面での違いを考えます。
大阪大学大学院国際公共政策研究科・松繁寿和教授が1998年に行ったデ―タに基づき、とある国立大学の卒業生、理系約2200人、文系1200人を対象に行ったものです。
その結果教授曰く、文系理系の生涯賃金格差は5000万円であるといい、理系より文系の方が5000万円高いことがわかりました。
主な理由は、文系は理系に比べて昇進速度が速く管理職になりやすい。就職先のおいても文系は金融機関や商社に就職しやすいが、理系は主に製造業につきやすい。
働き始めて最初の方は理系が優遇されていても、長期的なビジョンで見れば文系の方が有利ということになるということです。
しかし、このデータの発表は2008年の時のもので、これをそのまま今の日本に当てはまるか、と言われればそうではないでしょう。
近年のデータでは世代別に賃金面を見ても、理系が文系を上回っています。
単位:万円
また職種別にみても、理系が文系を上回ることが多く、特に通信インフラ設計、ソフト、システム開発などのソフト系技術者は最大で150万円に昇る収入差があります。
近年のデジタル技術の発展における、理系の優遇差が給与面で表れています。
詳しくは https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000352
文系、理系の主な成功者
成功者達は一体どんな勉強をしていたのでしょうか?
文系の成功者達

柳井 正
「ユニクロ」で有名な「ファーストリテイリング」会長です。
山口県立宇部高等学校、早稲田大学経済学部を卒業しています。父親の勧めでジャスコ(現在のイオン)に入社しましたが、わずか9カ月で退社。その後帰省し実家の小郡商事に入社。男性用紳士服などを取り扱っていたが、安価でカジュアルな衣類の販売に移行し、1984年6月広島市にユニクロ第一号店を誕生させました。
総資産は推定202億ドルと言われ、世界ランク41位、日本一の大富豪で知られています。

孫 正義
ソフトバンクグループの設立者。ロボット、通信インフラ、球団オーナーなどその活躍は多岐にわたります。
在日韓国人実業家の二男として生まれ、高校中退後渡米し、アメリカで高校卒業検定に合格、後にカルフォルニア大学バークレー校経済学部の3年生に編入しました。学位は経済学史で、大学卒業後、日本へ帰国。福岡県大野城市に「日本ソフトバンク」を設立します。
大学在学中にシャープに自動翻訳機を売り込んで1億円の資金を得るなど、この頃から飛びぬけていました。総資産は141億ドルで、先ほどの柳井氏に次ぐ日本第二位の大富豪です。

山内 溥
花札、トランプ製造会社であった任天堂を世界規模の超一流企業に導いた立役者。
早稲田大学専門部法律科卒。父の経営していた山内任天堂の子会社であった株式会社丸福の社長に22歳で就任。タクシー、食品関連の事業に手を出すも失敗。しかし、アーケードゲームに活路を見出し、インベーダーゲーム「スペースフィーバー」を発売。数多くの家庭用ゲームを手がけ1980年「ゲーム&ウォッチ」を発売し大ヒット。これにより得た資金をもとに、あの大ヒットゲーム機「ファミリーコンピューター(ファミコン)」を生み出しました。
2013年、肺炎のため85歳で死去。葬儀は任天堂本社で社葬として行われました。
理系の成功者達
中村 修二
2014年、青色発光ダイオードの開発でノーベル物理学賞を受賞。
愛媛県立大洲高等学校に進学したのち、徳島大学工学部電子工学科へ進学。トップクラスの成績で学部を卒業後、同大学大学院に工学研究科修士課程に進学。大学院修了後、日亜化学工業に就職し、開発課に配属。その中で青色発光ダイオード及び青色半導体レーザーに挑戦することを決意。社長に開発費用を直談判し、中小企業としては異例の3億円の研究資金の使用を認められます。また、再度社長に直談判し、一年間のアメリカのフロリダ大学への留学します。これらが後押しとなって、世界に先駆けて、実用レベルの高輝度青色発光ダイオードを発明に成功しました。
多数の受賞歴に加え、様々な大学の客員教授を歴任。大学発ベンチャー「SORRA」を設立しました。また2016年11月には文化勲章を受章しています。※現在はアメリカ国籍を取得し、日本国籍は喪失していると思われます。

岩田 聡
2000年から2015年にかけて任天堂の代表取締役社長を務めました。彼が携わったゲームソフトは星のカービィからポケットモンスター、大乱闘スマッシュブラザースまで有名タイトルばかり。また、「Wii」「Wii U」、そして現在発売されている「Switch(発表時はNX)」も彼が手掛けたものでした。
北海道札幌南高等学校から東京工業大学工学部情報工学科卒業。高校時代ヒューレット・パッカード者のプログラム電卓「HP-67」の存在を購入。そこからプログラミングに没頭します。大学在学中は、友人のつてにより「株式会社HAL研究所(通称ハル研)」でアルバイトをし、卒業後ハル研に就職。
入社2年目、任天堂のファミコンの存在を知り、京都の任天堂本社に直接出向いて請負交渉を行う。結果「ピンボール」「ゴルフ」といったプログラミングの分野を担当。後にハル研の社長として就任しますが、「星のカービィ」シリーズのヒットなどにより当時ハル研が抱えていた15億円の負債を6年で完済。これらの手腕が山内溥氏に買われ、任天堂に入社。後に任天堂で多大な成果を上げることとなります。
2015年胆管腫瘍のため55歳で死去。この訃報は世界中を駆け巡りました。


ジェフ・ベゾス
誰もが知るあのAmazonのCEOです。
高校時代まで物理学を学び、プリンストン大学では計算機科学、電気工学を専攻。1986年、それらの分野で学士号を取得しました。大学卒業後は、金融機関のIT部門でシステム構築を担当し、1994年インターネット書店の Cadabra.com を開業。翌年Amazon.comを設立しました。
世界有数の資産家としても有名で、最近では総資産が11兆円に達したことが話題になりました。
ベゾス氏を始め、アメリカのIT分野の成功者の大半は理系出身です。
総括
人には人の、それぞれの生き方があります。ハッキリ言えば文系理系以上に、その者個人の感性、生き方が重要なのであって、学問はその応用に過ぎません。
それを加味したうえで、皆に共通するのが「足を使う」ということでしょう。
机の上で考えるだけでは成果は生まれません。自分が欲しい情報、成果を求め走り続ける。成功者は皆そうなのです!(ドヤッ)
・・・そうと分かっていても、やはり勉強する以上、有益なものとそうでもないものとに分かれがちです。
理系でいえば、今はとくにプログラミング、ソフト部門が台頭にでていますし、それ以外の分野でも理系の収入は文系より多くなっています。
文系でいうならば経済学、法律学がよいと思います。経済を学んだ成功者は多数いますし、あらゆる分野に精通する重要な要素です。
法律科も知っておいても損のないことばかりですので勉強するのも悪くないかと思います。(ちなみに管理人のうっぴーは法律学科卒です未熟者ですが・・・)
弁護士も仕事のない時代に…
しかし、文系の頂点ともいえる弁護士も、今は仕事がないそうです。経済学も自営業や教師としてならともかく、一般社会ではあまり活用しにくいかもしれません。
時代のニーズを考えれば、(費用が高くつきますが)理系を選択したほうがよいかもしれません。
よって、今回の記事の総括として「理系有利」とさせていただきます。もちろん、これは独断と偏見の要素も含まれていますし、とどのつまり人それぞれです。
大事なことは勉強するからにはしっかりと、一貫性を持って勉強しましょう。
なんにせよ若いうちは勉強するなり技術を磨くなりしたほうがいいでしょう。
これを以て今回の記事の締めくくりといたします。